ベージュ地を基調とした乳白色の表面に、細かな斑点が全体にひろがる優しい印象のアンタルヤライム。
アンタルヤライムは、別名トルコライムストーンとも呼ばれています。
このページでは、ライムストーンのひとつであるアンタルヤライムについてご紹介します。
アンタルヤライムは、トルコの南西部の地中海沿岸に面するアンタルヤ県のフィニケが産地となります。
県都アンタルヤは地中海沿岸部に位置する都市ではありますが、北部からトロス山地が迫っているために、土地の約80パーセント近くが山岳地帯という独特な地勢をみせる土地です。
アンタルヤは良質な小麦や果樹類、オリーブオイルなどが栽培される農産地として知られており、加えて「トルコリヴィエラ」とも称される通り、海水浴客や観光客が訪れる国内の有数のリゾート地としてもにぎわいを見せています。
アンタルヤ周辺には、古代の都市国家の遺跡が多く現存し、なかでも地中海沿岸部を中心に栄えた、都市国家の連合体である古代リュキアの首都「クサントス」は、ユネスコの世界遺産にも登録された観光スポットのひとつ。
近年は、急激な人口増加を見せており、トルコ国内で最も発展の見込まれる地域として注目を集めています。
乳白色の肌地に小さな点柄が散らばるアンタルヤライムは、やわらかなその色調から汚れが目立つ石材となります。
またサンゴや貝殻などが堆積した石灰岩質の石材であるために、吸水率が高いという特徴を持っています。
また他の大理石を比べると、やや硬質の劣る石材です。
市場に流通するタイプには、石の表面を鏡面仕上げに施した本磨き仕上げと、本磨き仕上げの前工程水磨き仕上げとのふたつの種類が存在します。
ただしライムストーンの本磨き仕上げは、表面の石柄がそれほどはっきりとは現れないようです。
使用場所に適ったタイプを選択して、ご利用ください。
アンタルヤライムについての留意点についてご説明します。
熱の変成作用を受けていないために、石の高度が弱く、傷や割れが発生しやすいという特徴があります。
砂や調味料などを放置することのないように、こまめなお手入れが必要となります。
そのままにしておくと、シミなどの原因となる恐れがあります。
アンタルヤライムは有殻生物の遺骸が堆積した石灰岩のひとつで、酸には非常に弱いという性質を持っています。
石の表面が酸に侵されないようにご注意ください。特に酸性洗剤でのお手入れは、石の表面を溶解させるため、絶対に使用してはいけません。
アンタルヤライムは吸水率が非常に高い石種となります。
湿度の高くなる浴室等の水回りのご使用は、色あせ、艶落ち、シミなどの原因となりますので、ご使用をお避けください。
また外部でのご使用は、雨水などが原因となり、表面を傷める恐れがあります。ご注意ください。
部屋の壁面、キッチン、玄関周り、階段のステップなど、おもに内装材として使用されています。
屋外では店舗の外壁などに使用するケースがあるようです。
朗らかな印象を与える優しい色合いのために、清澄な空間に仕上がります。
上品な空間を演出するには大きな力となってくれる石材です。
古来より様々な文明の人々が住んだとされるアンタルヤ。
上品な美しさとなめらかな質感を併せもつトルコ産ライムストーンは、さまざまなシーンに映える上質な生活空間をあなたにもたらしてくれることでしょう。