御影石の中で一番ポピュラーな色はグレーではないでしょうか。身近に使われている御影石でも、灰色のものが多く見かけられます。しかし、一言で灰色と言っても、御影石には様々な種類があります。その中で中国産の灰色御影石、G343をご紹介します。
中国と朝鮮半島の間にある黄海の奥まった地域に、中華人民共和国の山東省があります。この地は幾人かの偉大な人物を輩出しています。聖人と言われる儒教の始祖である「孔子」がその中の一人です。生まれ育ち没した場所が山東省にあります。儒教は礼節などを説いたもので、後世に表された論語は孔子の言葉や行いを弟子たちがまとめた書物です。中国全土はもとより広くアジアにも影響を与え、日本もその影響を受けています。論語の中にはよく耳にする四字熟語も多く見受けられます。山東省には孔子由来の霊廟などの建造物や、石碑、彫像が多く残されています。
一番ポピュラーな灰色をしています。石目は小さく、グレーの地に黒と白の粒子が入っています。タイル状など比較的小さな石材ですと砂の様な見た目ですが、大きなサイズのものではちょっと変わって見えます。粒子が並んでスジの様に見えたり、流れるような模様を作ったりしています。色に濃淡があまりないので、はっきりした模様が見えるわけではありません。吸水率が低く、季節変化などに強い耐久性のよい石材と言えるでしょう。
使用する場所によって表面の加工を変える。
御影石の表面加工の方法は多種にわたります。見た目の為だけでなく、実用性や安全性の為でもあります。特に公共性の高い、様々な人が利用する場所ではあらゆることを想定しなければなりません。御影石はそういう場所にも多く使われています。一番に気をつけなければいけない事は多くの人の安全です。見た目は美しい鏡面加工が実は一番危険でもあります。床に使われる場合は歩行者の安全を一番に、滑りにくいものを使わなければいけません。
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
どこにでも使える色と柄で、主役にも脇役にもなれる石材です。
主役では
壁や柱の飾り、床にも使います。また、マンションのオートロック制御盤は御影石が多く使われています。見立たなければいけない場所に使う事は主役級ではないでしょうか。広い面に使う時は、あまり派手な色ですとかえって目が疲れたりするので、G343のグレーは調度よい色合いですね。
脇役では
公共性の高いファッショナブルな場所では、広い面にモザイクを作り出すことがあります。デザイン性も高く、多くの人の目に触れる所にふさわしい壁や床を飾る時の地色にぴったりです。どんな色を持ってきても、その色を引き立たせることができるでしょう。
御影石はあらゆる所に使われています。さりげない所や、大きなビルなどの壁など広い場所、オブジェや石碑等の石造品も様々なものに使用されています。最近では小さな置物や、実用性の高い小物なども作られています。これからも、御影石の新しい使い方や試みがされるでしょうが、G343の色はどんな場面でもしっくりくる御影石ではないでしょうか。