中国産の白御影石で、古くから一番多く輸入されているのがG603と呼ばれる御影石です。採石場が港に近いおかげで輸送コストが抑えられるため、リーズナブルな価格を実現している石種です。様々な所で使われているので、とても身近な御影石と言えるでしょう。
中華人民共和国の南部に福建省という自治区があります。その海岸に面した地域に泉州市があり、G603の採石場は泉州市の中の一地区、晋江市と言う所にあります。海を隔てて対岸には台湾が見える地域です。この地区の人々は、古くから商才に恵まれ、世界中で活躍している華僑の出身地となっています。現在この地域では製紙業や磁器、服飾などの軽工業が盛んで、特に靴の生産は中国国内でも三本の指に入るほどの規模です。もちろん採石もこの地の経済を支えています。名産品としては中国四大酢とうたわれる、もち米を使った濃厚な味わいの黒酢があります。
中国産の御影石の中では古くから大量に輸入されてきた石種です。白御影石と言われていますが、見た目は薄いグレーをしています。石目は多少粗く、吸水率が高いです。その為、サビと呼ばれる御影石を構成している鉱物の影響で、茶色のシミが浮くことがあります。したがって、屋外にはあまり向かない石材となります。丁場の上層部で採れる石は色も白く、彫刻用などの為にヨーロッパに向けて輸出されているようです。埋蔵量も多く大きいサイズの石材も採石されています。しかし、昔から大量に採石してきたので、最近では採石量も減ってきています。また、閉山している丁場もあるようです。
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
白系の御影石はシミや汚れなどが目立ちます
御影石の構成物質の中には様々な鉱物も含まれています。その中の鉄鉱物が、水分によってサビが出る要因となっています。G603は御影石の中では吸水性が高いと言う欠点があります。そして長期間風雨にさらされると茶色のシミが浮き出ることがあります。白い色に茶色が付くととても目立ちます。このような状態になった時には専門家にお願いすると、たいていの場合は元の状態に戻してもらえます。
床、壁、テーブルなど予算の少ないときにおすすめです。
加工方法で使い分けます。床に鏡面加工の石材を使うと傷が付きやすくなります。なにより水濡れした時は滑りやすいので、バーナー加工など表面がザラついた加工の石材を使用することをお勧めします。壁には鏡面加工の物の方が、美しい表面で屋内の雰囲気も一段と良くなるでしょう。
一般家庭でも使える、オブジェや置物が作られています。最近ではキャラクター物や、かわいい動物などの形を模した物がネットなどで売られています。サイズもいろいろあるので、使う場所によって選ぶこともできます。そう言うオブジェが玄関先などに置いてあると、その家のイメージも良くなるのではないでしょうか。
中国産の御影石は記号で呼ばれることが基本です。しかし、わかりやすいように別名が使われることも多いです。G603は「ライトグレー御影石」又は「パダンホワイト」などの名前で呼ばれることもあります。似たような番号がたくさんあるので、間違えないためにはこのような措置も必要かもしれません。