中国産の御影石はGで始まる記号のような名称で呼ばれるものが大半です。このGは英語の花崗岩を表すgranite(グラナイト)のことです。その後に続く番号は丁場のある地域を示しています。G5で始まる御影石は広西省で産出されています。
中華人民共和国の南西部にベトナムとの国境を接している地域があります。以前は単に広西省と呼ばれていましたが、現在の正式名称は広西省チワン族自治区となっています。ここは少数民族のチワン族が原住している、中国最大の地域です。水墨画のような絶景が有名な桂林は、この地区の北東部にあります。亜熱帯気候で農業が経済を支えています。中国国内の砂糖生産の半数以上は、ここで栽培されているサトウキビから作られています。また、滑り止め等に使われる、松脂(まつやに)から採れるロジンは世界的に見て主な生産地となっています。
中国産の赤御影石の代表とも言われる御影石です。ブラジル産の赤御影石である「カパオボニート」と似ていることから、別名を「中国カパオ」とも言われています。また、「広西紅」と呼ばれることもあります。赤茶色からオレンジにわたる色合いで、石目が大きいので柄も大きく入っています。とても華やかな感じの御影石です。石目の大きさの割には風化に強く、摩耗にも耐久性があります。また、吸水性も低い種類の石材です。しかし、柄が大きいと模様のバラつきが目立ちますし、色見も変化があります。その為、石板を広い面積で使用するときなどは、バランスに気をつけなければいけません。
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
色と柄の違いがでるので、ご注意ください。
タイル状の石板を複数枚使用して壁や床などに使うことがありますが、そこで気をつけたいことがあります。大きな石材で見るとよくわかりますが、大きめの柄になると模様が密になる所と、隙間が空くように見えるところがあります。その柄の密度で色見も変わってきます。したがって、複数の石板を利用した場合に色や柄が不釣り合いになることがあります。このような時には完全に施工する前に、可能であれば仮に並べて色や柄のバランスを確かめるとよいでしょう。
華やかな御影石で彩りを添える.
最近では、色々と工夫を凝らしたデザインや形の表札やネームプレートが作られています。家屋の形状によってオーソドックスな物からスタイリッシュな物まであります。書体も様々にあり、形からデザイン、文字まで完全オーダーメイドの製品もあります。赤い石で作られた表札はその家やショップの良い顔になるでしょう。
庭の木々や花々に囲まれた場所に置くベンチやテーブルがあります。吸水性が低い石種ですので、屋外使用にも十分耐えることができます。鏡面加工を施されたG562の明るい色と大きめのゴージャスな模様は、お庭のアクセントにぴったりではないでしょうか。
G562の丁場は、中国の南部にある広西省と、お隣の広東省の境に近い所にあります。日本から比較的近くで採掘されるので、輸送料が抑えられます。また、産出量も少なくはないので、普及的な価格にできます。求めやすい赤御影石を、モノトーンの石材にはない華やかさで違った使い方も考えられるといいですね。